重賞レース

第36回ロジータ記念(SI)

2025年11月19日

第25回ローレル賞(SII)

レースガイド RACE GUIDE

川崎競馬所属で南関東4冠を達成した名牝ロジータの名を冠したレース。
南関東3歳牝馬限定重賞としては最後の重賞となる。
2011年に地方全国交流となり、それ以降の過去14回はすべて南関東勢が勝利。1番人気は5勝2着4回3着4回と馬券に絡まなかったのは1回のみ。
2024年は2歳女王ローリエフレイバーが復活Vを飾った。
【1着となった南関東所属馬に東京シンデレラマイル、1・2着馬にクイーン賞への優先出走権を付与】

コースガイド

2コーナーの出口から発走し、コーナーを6回まわります。2周目の向正面でペースが上がったときに、離されずについていくことができるか。騎手のペース判断も重要になります。

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大井VS船橋、関東オークス出走馬に要注目

※データは過去10年分(2015~2024年)を対象にした。

1番人気を信頼、6番人気以下が面白い

 1番人気は2021年10着に敗れたものの3勝2着2回3着4回で複勝率90%と信頼度は高い。
 2番人気が4勝2着2回でこれに続くが、3~5番人気は合わせても1勝2着2回3着2回と今ひとつ。
 それなら2018年を除く9年で2勝2着4回3着4回の6番人気以下を選ぶのも面白い。

【単勝人気別成績】(過去10回)

  1着 2着 3着 着外 連対率 複勝率
1番人気 3 2 4 1 50.0 % 90.0 %
2番人気 4 2 0 4 60.0 % 60.0 %
3番人気 0 0 1 9 0.0 % 10.0 %
4番人気 1 1 1 7 20.0 % 30.0 %
5番人気 0 1 0 9 10.0 % 10.0 %
6番人気以下 2 4 4 72 7.3 % 12.2 %

大井VS船橋、川崎所属馬を穴に一考

 大井所属馬が5勝2着3回3着3回で複勝率32%、船橋所属馬も負けじと3勝2着2回3着2回。軸馬選びはいずれかからとするのが良さそう。
 地元川崎は1勝2着2回3着4回だが、1・2・5・6・7・7・8番人気馬によるもので穴に一考。
 浦和所属馬は1勝2着1回3着1回(1・1・4番人気)
 他地区所属馬は17頭が出走し、2015年トーコーヴィーナス(兵庫)・2024年ポルラノーチェ(北海道)が共に2着しているのみ。

【所属別成績】(過去10回)

  1着 2着 3着 着外 連対率 複勝率
大井 5 3 3 23 23.5 % 32.4 %
船橋 3 2 2 24 16.1 % 22.6 %
浦和 1 1 1 15 11.1 % 16.7 %
川崎 1 2 4 25 9.4 % 21.9 %
他地区 0 2 0 15 11.8 % 11.8 %

2・7枠が優勢。5~7枠の6番人気以下に注意

 2枠が1勝2着3回3着1回で複勝率50%、7枠が1勝2着3回3着4回で複勝率40%と抜けているが、勝ち馬は内外関係無く平均的に出ている。
 それ以外では6番人気以下で馬券に絡んだ10頭中9頭は5~7枠だった事に注意したい。

【枠順別成績】(過去10回)

  1着 2着 3着 着外 連対率 複勝率
1枠 1 0 0 9 10.0 % 10.0 %
2枠 1 3 1 5 40.0 % 50.0 %
3枠 0 0 1 16 0.0 % 5.9 %
4枠 2 0 0 15 11.8 % 11.8 %
5枠 1 3 1 13 22.2 % 27.8 %
6枠 2 1 1 16 15.0 % 20.0 %
7枠 1 3 4 12 20.0 % 40.0 %
8枠 2 0 2 16 10.0 % 20.0 %

関東オークス出走馬は人気薄でも押さえておきたい

 関東オークス出走馬が6勝2着7回3着3回。毎年馬券に絡んでいるおり、内6頭は4・5・6・6・6・7・8番人気で1勝2着4回3着1回、人気薄でも押さえておきたい。
 東京プリンセス賞出走馬は7勝2着6回3着7回。同レースで9着以内だった馬が毎年馬券に絡んでおり、近5年は5着以内だった馬がここで勝利している。
 トライアルレースのサルビアカップ出走馬は、2018年に同レースが準重賞に格上げとなった以降2勝2着5回3着4回で2024年を除き馬券に絡んでいる。
 戸塚記念出走馬は4勝2着3回3着4回。掲示板外からの巻き返しも5頭おり成績は気にしなくても良い。
 近2走で1,700m以上のレースを使っていなかった馬は3頭が3着となったのみ。このレースを見据えたローテを組んできているかは確認したい。
 最後に、逃げ馬は1・2・6番人気馬が2着2回3着1回しているのみで狙いにくい。

ライター:友好春

ベルグラシアス

JBCレディスクラシック(2025年11月3日)

ウィルシャイン
エスカティア
オリコウデレガンス

サルビアカップ(2025年10月16日)

ドナギニー

アレキサンドライトカップ(2025年8月28日)

金子正彦

金子正彦

1962年11月12日 神奈川県出身。
1979年に川崎競馬で騎手デビューし16,482戦1,227勝を挙げて2017年3月に引退。重賞勝ちは東京ダービー(サイレントスタメン)、浦和記念(モエレトレジャー)、桜花賞(ミライ)、ハイセイコー記念(ソルテ)など11勝。
引退後は競馬ブック南関東版でコラム、週刊競馬ブックにて重賞回顧等を執筆。

中川明美

中川明美

競馬ブック南関東担当記者。
新聞紙面にてコラム『南関こんしぇるじゅ』、週刊競馬ブックで『NANKAN通信』、競馬ブックWEBにて『南関あらうんど』等を執筆。週刊競馬ブック南関東S重賞本誌担当。
グリーンチャンネルにて『アタック地方競馬』『ダート競馬JAPAN』に出演中。

第36回ロジータ記念(SI)

注目馬情報

エスカティア(牝3歳 浦和・小久保智厩舎)

写真:真鍋元

 昨年暮れに北海道から移籍。主な勝ち星としては浦和の準重賞アヴニール賞があり、重賞レースでの入着も多い。スタートダッシュが速く、前で競馬ができるのが強みだ。前走のトライアル競走サルビアカップでは初のコーナーを6度回る競馬を経験。ただ1頭56キロの最重量を背負いながらもスローペースでうまく折り合い、ゴール前ではウィルシャインに並ばれてからもうひと踏ん張りして勝負強さを見せた。2000m戦ではあったが距離へのメドも立ってきた。絶対的な逃げ馬不在でペースは落ち着きそうなだけに初タイトルへ展開も向きそうだ。

「前回で初めて乗って跳びにパワフルさを感じた。ハナに行かなければダメってことなくて、むしろ前に目標がいた方がいいかもしれない。前走も交わされてからもうひと踏ん張りしていた。粘り強さがあるからもう少し首が使えるようになるといいね」と矢野貴之騎手。

ウィルシャイン(牝3歳 船橋・佐藤裕太厩舎)

写真:真鍋元

 デビューから無傷3連勝でローレル賞制覇。華奢な馬体に合わせて佐藤裕太調教師がみずからセーブした調教をして成長を促してきた。その効果もあって、川崎コースの外々を回る不利な競馬になってもタフな精神面で食らいついていったのが印象的。2歳暮れの東京2歳優駿牝馬では中団後ろから直線勝負に懸けて5着も収穫はあった。強烈だったのは前走のサルビアカップ。豪快にひと捲りで3コーナー先頭に並んだが逃げたエスカティアをわずか頭差捕らえきれなかった。2100mでは折り合い面の課題をクリアしたい。

「自分で調教をつけているが馬体の筋肉量が増えて成長しているのを感じる。前走の捲る競馬は今回につながると思うので距離2100mになるのは良い方に出てくれそう。休み明けを使ってきた上積みもあるし、あとは折り合い次第」と佐藤裕太調教師。

オリコウデレガンス(牝3歳 川崎・安池成実厩舎)

写真:真鍋元

 前走のトライアルでは痛恨の出遅れ。早めに追い上げてきたがそのぶん直線では息切れしてしまった感じで6着。巻き返しを期待したいところだ。デビュー戦はスタートで不利がありながら8馬身差をつけるぶっちぎり。3戦目のローレル賞ではスタートしてすぐのところで馬が轍を見て驚き落馬寸前のシーンもあったがそれでもいい脚で追い上げて2着とアクシデントを乗り越えてきた。3歳夏は好位で折り合う競馬をして2連勝し機運を上げてきたところだ。持ち前の集中力で距離を克服したい。

「一生懸命に走りすぎてしまうところがあるのでそこだけ改善できればいいですね。前走は初めての2000mに戸惑った感じはありましたが1回使ったぶん問題ないでしょう。追い切りの動きは文句なし。あとは最後の切れ味をうまく出せるかどうかですね」と今野忠成騎手。

ドナギニー(牝3歳 大井・中道啓二厩舎)

写真:真鍋元

 デビューから2連勝しているが、その後は惜敗が多く、重賞でも勝てそうで勝てないレースが続いた。ローレル賞では揉まれるレースを経験し5着。東京プリンセス賞では中団でじっと我慢の競馬をして3着で、精神面の進境を見せた。黒潮盃では末脚が弾けきれず5着だった。前走の3歳オープンではホーリーグレイルをきっちり捕らえて勝利。秋競馬に向けてひと息入れて好発進。川崎コースは2歳以来で小回り向きではないが、折り合いがつくレースぶりで距離は歓迎。

「テンから出して前に行くタイプではないので、前半しっかり脚をためて直線で生かすのが理想のレース。終いは確実に脚を使うからね。騎手の指示には従順だし、いかに脚をためられるかだね。牧場から3週間前に戻ってきたが、しっかり本数重ねて乗り込んできている。最終追いきりの動きも良くて、休み明けとしては一番いい状態で出せるんじゃないかな」と中道啓二調教師。

ベルグラシアス(牝3歳 大井・市村誠厩舎)

写真:真鍋元

 牝馬第二冠の東京プリンセス賞優勝馬。大井1800m戦のわりに流れが速くなったが後方4番手でじっくり構えた道中から3コーナー過ぎではいっきにポジションを上げて先頭に立ち、後続の追撃を振り切って突き抜けた。デビュー戦から後方から末脚勝負の競馬を続けてきたが、ダートグレード競走となるとやや苦戦。それでも秋緒戦のレディスプレリュードでは早めに動いて長くいい脚を使い5着まで追い上げた。川崎コースも二度目となり、距離2100mは味方になりそう。

「今回はJBCレディスクラシック後で間隔はないが、地方同士なら切れ脚を発揮できそう。長くいい脚を使えるところが持ち味。関東オークスの時点から成長しているだろうし、2100mは適性のある距離。自分のペースで溜めて乗って上がり勝負に懸けたい」と町田直希騎手。

写真:真鍋元

 川崎から生んだ名牝ロジータを記念した3歳牝馬限定の地方交流重賞。1着馬(南関東所属馬)に対し、12月30日に実施される東京シンデレラマイル。1、2着馬に2月11日に行われるクイーン賞への優先出走権が与えられる。
 今年は岩手から1頭が参戦し、13頭が紅い火花を散らした。

 ダッシュ良く飛び出したエスカティアがあっさり先手を取ると、2番手にチャチャハツゴウ、少しあいてドナギニー、アメストリスがつけ、縦長状態。
 1周目のスタンド前ではペースも落ちたが、向正面に入ると後続もじょじょに動き出す。最終コーナーでは逃げるエスカティアに内からドナギニー、外からチャチャハツゴウにアメストリス、ウィルシャインも加わって直線勝負。
 逃げ切りを図るエスカティアをゴール前で捕らえたドナギニーが初の重賞勝ちとなった。
 2着にエスカティア、3着には外からよく伸びたウィルシャインが入って確定。

 勝ちタイムは2分19秒7(晴・良)。

写真:小川慎介

1着 ドナギニー

 3ヶ月ぶりの実戦だったが、好スタートからイン3番手の位置取り。ペースに左右されることなく、あくまでも自分のリズムで追走。無駄な動きもなく脚をためられたことが最後の伸び脚につながった。馬体も含め、ひと皮むけた印象だ。

<中道啓二調教師>
 重賞勝ちも久しぶりで感無量です。体質の弱さがあって体重も減りがちだったんですけど、やっと中身がしっかりして今回プラス20キロでしたが一番いい状態だと感じました。後ろ目からの競馬が多かったんですが今日は思いのほかスタートが良くて最高のポジションで笹川騎手が最高の競馬をしてくれて良かったです。船橋で準重賞勝ったあとに、負かした馬たちが重賞を勝っていたので出遅れたなと感じていたのでホッとしています。やっと芯が入って本格化してきた印象。さらに状態を上げられそうなので、タイトルもひとつ、ふたつ狙いたい。次走についてはオーナーと相談して決めようと思います。

<笹川翼騎手>
 こうなったらいいと思う競馬で、会心の勝利でした。追い切りも何回か乗って成長しているのを感じてましたので自信はありました。枠も良かったですしね。いいところを通れていたんで、あとは自分の気持ちが馬に伝わらないように1周目はオフモードにして、直線はよくファイトしてくれました。終いがいい馬なので最後も交わせるだろうという感触はありました。デビューから応援してくれた調教師やオーナーの馬で勝つことができて改めて感謝申し上げます。

2着 エスカティア

 ロケットスタートを決め、楽々主導権を取るとしっかり自分のペースに持ち込めた。矢野騎手の絶妙な逃げだったが最後は決め手の差か。

<矢野貴之騎手>
 距離を心配していたんですが以前より体力がついていますね。いいペースで逃げて勝つかと思いました。突き抜ける性格をしていないので後ろを待っているようなところもありました。そのぶん相手の決め手に屈しましたね。背中はすごく良い馬なので、どこかでひと皮むけるんじゃないかと思っています。

3着 ウィルシャイン

 スタートも決まり、ドナギニーの後ろにつける理想的な展開。直線の伸びも良かったが、先行馬有利の流れで前2頭も止まらず、3着も力差は感じない。

<本田正重騎手>
 前回より折り合いもついて、馬も良くなっていました。ペースが遅く展開の差ですね。力負けではありません。距離も問題なかったですね。

4着 チャチャハツゴウ

 スタートから積極的に逃げ馬をマーク。最終コーナーまでは食らいついて、直線も粘り強さは見せたが半ばで力尽きた。4着も見せ場はつくり存在をアピールした。

<新原周馬騎手>
 直線では先輩たちの騎乗技を見ることができて自分には重賞はまだ早いのかと勉強になりました。展開も良かったし、馬の力は出せたと思います。もっと強くなると信じています。

5着 オリコウデレガンス

 スタートダッシュがつかず、後方からになったが、距離的ロスを避けながら、じっくり構えての立ち回り。流れに逆らわず、直線よく伸びての入着。

<今野忠成騎手>
 引っかからない位置で行こうと決めていた。ポジションを取りに行ってしまうと掛かってしまうので。最後はよく伸びてくれました。

6着 グレアネオンライト

 中団インコースで脚をため、上がり38秒台を出してきたが、入着とはならず。追い込みタイプで展開にも左右されそうだ。

<本橋孝太騎手>
 微妙に力んでましたね。馬もまとまっていたし、ウィルシャインの後ろを取りに行こうと少し押したぶん前半で力んでしまった。ペースも遅かったのもあるのかな。途中でリラックスさせられたし、4コーナーでは突き抜けるような手応えがあったんですが、思ったより弾けなかった。距離というより6回のコーナーがきついのもある。

7着 アメストリス

 無理なく好位につけ、折り合いもついていた。最終コーナーでは先頭に並びかける勢いはあったが直線に入り失速。力尽きた感じになった。

<野畑凌騎手>
 位置取りも完璧だったし、道中もいいリズムだったんですけど、3コーナーで仕掛けて最後は止まってしまいました。やりたい競馬はできましたし、馬も力を出し切ったと思います。

8着 ハナノウタゲ

 出たなりで後方から。地力勝負に出たが、追い上げきれず、重賞レースだとパンチ不足なところがある。

回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
35 令和6年 ローリエフレイバー 牝3 野畑 凌
34 令和5年 メイドイットマム 牝3 本橋 孝太
33 令和4年 スピーディキック 牝3 御神本 訓史
32 令和3年 カイカセンゲン 牝3 張田 昂
31 令和2年 ルイドフィーネ 牝3 森 泰斗
30 令和元年 グランモナハート 牝3 本田 正重
29 平成30年 クロスウィンド 牝3 矢野 貴之
28 平成29年 ステップオブダンス 牝3 森 泰斗
27 平成28年 ミスミランダー 牝3 森 泰斗
26 平成27年 ララベル 牝3 真島 大輔
25 平成26年 ノットオーソリティ 牝3 御神本 訓史
24 平成25年 カイカヨソウ 牝3 今野 忠成
23 平成24年 エミーズパラダイス 牝3 戸崎 圭太
22 平成23年 クラーベセクレタ 牝3 戸崎 圭太
21 平成22年 ショウリダバンザイ 牝3 御神本 訓史
20 平成21年 タカヒロチャーム 牝3 町田 直希
19 平成20年 シスターエレキング 牝3 桑島 孝春
18 平成19年 トキノミスオース 牝3 坂井 英光
17 平成18年 マキノチーフ 牝3 繁田 健一
16 平成17年 グローバルリーダー 牝3 張田 京
15 平成16年 アイチャンルック 牝3 的場 文男
14 平成15年 マルダイメグ 牝3 的場 文男
13 平成14年 ラヴァリーフリッグ 牝3 石崎 隆之
12 平成13年 カーディアンゴット 牝3 佐藤 隆
11 平成12年 セクシーディナー 牝4 内田 博幸
10 平成11年 ヤマノリアル 牝4 張田 京
9 平成10年 ホクトオーロラ 牝4 石崎 隆之
8 平成9年 イシゲヒカリ 牝4 秋田 実
7 平成8年 スギヤマワッスル 牝4 田部 和廣
6 平成7年 マキバサイレント 牝4 石崎 隆之
5 平成6年 ケーエフネプチュン 牝4 矢内 博
4 平成5年 パワーシャレード 牝4 石崎 隆之
3 平成4年 アズマリーフ 牝4 柿本 政男
2 平成3年 ドラールオウカン 牝4 内田 博幸
1 平成2年 ヒカリカツオーヒ 牝4 石崎 隆之