重賞レース

勝ち馬は3番人気と、北海道所属の重賞実績馬に注目

※データは過去10年分(2015～2024年)を対象にした。

勝ち馬は全て5番人気以内。3番人気は複勝率80％。

　勝ち馬は全て単勝5番人気以内。1着には上位人気馬から選びたい。
　1番人気は3勝2着1回3着2回、2番人気は2勝3着4回。
　それなら3番人気が3勝2着4回3着1回で連対率70％、複勝率80％。近5年連続で馬券に絡んでおり、面白そう。
　1～3番人気で上位独占した2015年と2023年以外は全て三連単万馬券決着となっており、前述の1着馬選びがなおの事鍵となってくる。

【単勝人気別成績】(過去10回)

北海道勢が断然。地元川崎も負けていない。

　3勝2着2回3着3回、複勝率50％の北海道勢が断然。2022年は参戦が無かったが、それ以外の9回中7回で馬券に絡んでいる。ただ2頭が馬券に絡んだのは2015年のみで、2頭以上出走してきた場合はよく吟味したい。
　これに続くのは浦和所属馬で1勝2着1回3着3回と複勝率31％。
　船橋所属馬は2勝2着4回3着1回で複勝率20％だが、近4年連続連対しているので勢いに注意。
　地元川崎所属馬も負けていない。出走頭数も多いが4勝2着3回3着2回で複勝率17％なら十分だろう。
　大井所属馬で馬券に絡んだのは2023年3着の1頭のみ。

【所属別成績】(過去10回)

3枠は押さえておきたい。

　全体的に大差なく馬券に絡んでいるが、勝ち馬は3～8枠から。1・2枠は合わせて2着4回3着1回どまり。
　3枠は1勝2着2回3着4回で複勝率37％、迷ったら押さえておきたい。

【枠順別成績】(過去10回)

北海道重賞実績馬＋北海道所属騎手を起用してきた馬

　ローテーションについては北海道所属馬(北海道から南関東転入緒戦だった2018年アークヴィグラスを含める)と、南関東所属馬に分けて考察してみた。
　北海道所属で馬券に絡んだ9頭中7頭はデビュー戦で勝利していた(残り2頭も3戦目までに初勝利)
　エーデルワイス賞出走馬は[4-0-3-5]。内、連対馬に限れば[3-0-1-1]。リリーカップ出走馬は[4-0-3-5]。内、3着内馬に限れば[3-0-3-3]。フルールカップ出走馬は[4-2-2-3]。内、連対馬に限れば[3-0-1-0]。
　一方、芝のレースを使っていた馬は[0-0-0-2]。
　尚、北海道所属として遠征してきた17頭の内、北海道所属騎手が騎乗した馬は[3-2-2-3]。北海道所属騎手以外が騎乗した馬は[0-0-1-6]。馬券に絡めなかった6頭の騎手には吉原寛人騎手や森泰斗騎手なども含まれている。
　南関東所属馬は、前走がトライアルの小町特別で3着以内だった馬が6頭馬券に絡んでいるが、それ以外は多種多様。
　だが2020年3着ナジャ(鎌倉記念5着)と2024年3着プラウドフレール(影武者賞1番人気10着)を除き、全て前走で3着以内に好走してここに挑んでいた。
　最後に前走までに北海道で3勝以上していた馬(転入緒戦だった2018年アークヴィグラスを含む)は7頭で、3勝2着1回3着1回(2019年プリモジョーカーは6着、2024年リオンダリーナは12着)で信頼度が高い事をつけ加えておく。

ライター：友好春

トウキョーアンナ

デビュタント賞（2025年10月31日）

トリップス

プリンセスカップ（2025年10月26日）

アンジュルナ

小町特別（2025年10月13日）

スプリンガフォート

金沢シンデレラカップ（2025年10月12日）

ナーサリーテイル

リバーサイドアイドル特別（2025年7月28日）

第25回ローレル賞(SII)

注目馬情報

アンジュルナ(牝2歳　浦和・小久保智厩舎)

　デビューから5戦3勝。負けた2戦は、新馬戦はスタートで出遅れて3着。3戦目は重賞ルーキーズサマーカップで5着だが、前半力んでいたため3コーナーあたりから脚いろが鈍ったがそれでも同じ浦和1400mの前走に比べてタイムを1秒以上縮めていた。スタートの鈍さもあったがここ2戦はメンコの耳の部分を外してそれも解消しつつある。圧巻は前走のトライアル戦で、2番手につけると直線は独走状態。終わってみれば大差をつけての勝利でスピードの違いを見せつけた。折り合い面に不安はなく距離もこなせそう。

「スピードはあるけど逃げにはこだわらない。一戦一戦使いながら良くなってますね。スタートもそうですし道中の息づかいや直線の伸びなど乗るたびに良いところが出てきます。跳びもすごく綺麗な馬で、距離延びてもっといいと思います」と野畑凌騎手。

トウキョーアンナ(牝2歳　船橋・石井勝男厩舎)

　4戦3勝、2着1回。デビュー戦は完成度の違いから取りこぼしてしまったが、その後は3連勝。逃げ、差し自在なレースぶりで砂を被っても怯むことなく、まだ底を見せていない印象だ。前走は浦和への輸送競馬で、1度経験しているのはアドバンテージだろう。マイル戦は初めてになるが距離延長にも対応できる器用さを持ち合わせている。

「どんな競馬でもできるタイプ。位置取りにこだわらず競馬ができるのは強みだと思う。レースを使うたびに調教での動きも良化しているがまだいくらか緩さがあるぶん、この先の成長も期待できる。自在性があるから枠順にもこだわらないし距離延長も歓迎」と石井勝男調教師。

ナーサリーテイル(牝2歳　船橋・川島正一厩舎)

　キャリアはまだ2戦。新馬戦では2番手から抜け出して7馬身千切るインパクトを残したが、2戦目のリバーサイドアイドル特別も着差以上にポテンシャルを感じさせる強さだった。スタートはそう速くなかったが好位につけ、3コーナーから進撃開始すると直線で早々に先頭に立ち4馬身離してゴール。キャリア浅い2歳とは思えない強さは素質の証だ。前走後は予定通りの夏休みで、約1ヶ月前に帰厩。馬体にも成長が見られた。

「休み明けで、初コース、初の輸送競馬と課題はあるが、器用にこなす馬だから心配していない。とにかくレースセンスが良くて、位置取りにもこだわらないし、距離対応は幅広くこなせそう」と矢野貴之騎手。

トリップス(牝2歳　北海道・小野望厩舎)

　ハイレベルの道営競馬で新馬戦を勝っているのは価値が高い。3戦目では重賞リリーカップに出走し、先行してリュウノフライトの4着に粘った。前走は盛岡のプリンセスカップに遠征しレースまでに馬体を減らしていたが果敢に逃げて初めての左回りを逃げ切ってタイトルホースとなった。母メモリアビアンカは川崎に所属してた時期もあったが連勝するスピード値の高さの一方で体重の変動が大きく調整の難しい馬だった。今回も長距離輸送を経た馬体の維持は当日の気配を重視したい。

「左回りは勝っているし外厩調整で右、左の両方で調教を重ねてきた。前走から感覚はそうないので馬体を減らさないように気を使ってきた。この兄弟たちも馬体が減りやすいタイプだからね。ツーターンの競馬は未経験だし、前走と違ってハナに行きたい馬も多いが、ラップが落ち着いていればハナにはこだわらない」と小野望調教師。

スプリンガフォート(牝2歳　川崎・佐々木仁厩舎)

　5月に道営競馬でデビューし2戦目で逃げ切って初勝利。道営では1000mのみを3戦して重賞リリーカップで6着後に川崎に移籍した。転入後は1500mを3戦しているが、前走は金沢に遠征。金沢シンデレラカップで逃げて3着に粘った。今回は初めてのマイル戦。スピードタイプも多いため同型との兼ね合いになりそう。大外枠がどう響くか。

「前走は結果的に積極策だったが、今後のことを考えるとそろそろ抑える競馬も覚えさせたいね。遠征の疲れも見られないし、とぼけた面があるくらいで折り合いがつくから距離の融通は利きそうだ」と佐々木仁調教師。

　グランダム・ジャパンシリーズ2歳シーズンの地方交流重賞。1～3着馬に対し、12月31日に行われる東京2歳優駿牝馬への優先出走権が与えられるトライアルでもある。

　今年は北海道から1頭が参戦し、12頭立てで行われた。

　スタートは横一線。好ダッシュのアンジュルナの勢いが良かったが、内からトリップスが主導権を取りきった。先行争いはなく、1コーナーへの入りはトリップスが逃げ、2番手にアンジュルナ。イン3番手にトウキョーアンナがつけ、サラサチャレンジ、ナーサリーテイル続いてこのあたりが先行集団。淡々とした流れの中、勝負どころを過ぎるとアンジュルナが、馬なりで先頭に並びかけた。直線に入っても勢いは衰えず、後続を突き離して4馬身差をつけてゴール。初重賞制覇となった。

　2着には逃げ粘ったトリップス。中団にいたカンターレが大外から猛追し3着入線。

　勝ちタイムは1分44秒1(晴・良)。

1着　アンジュルナ

　好スタート好ダッシュ。無理なく好位に取り付いた。道中は息を入れながらも逃げるトリップスをぴったりマーク。追い出してからの反応も良く、しっかりとした脚色でゴール板を駆け抜け、危なげない勝利で重賞初制覇。

＜小久保智調教師＞
　気持ちも素直だし、見た目通りに状態面がわかるので扱いやすい馬です。新馬戦からどんどん昇っているので楽しみにしていてください。馬体も変わると思います。距離に対してもけっこう排気量はあると思います。今日はレース前から間隔ないのは可哀想かと思ってましたが、次走予定の東京2歳優駿牝馬がある年末までは時間があるので仕上げやすいかと思います。まだまだいいところが出てくるはずなのでこれからも応援してください。

＜野畑凌騎手＞
　強かったですね。道中はしっかり息を入れることができて良かったです。4コーナーで少し手応えがあやしくなったんですが、直線追うとしっかり伸びてくれました。大井の1600mもこなせると思うのでこの先が楽しみです。

2着　トリップス

　競り合うこともなく早めに主導権を取り、マイペースに持ち込んだ。直線での粘り強さも見せて2着を確保。前走からの馬体減は気になったが、精神面の強さが感じられる走りだった。

＜小野楓馬騎手＞
　がんばって踏ん張っていました。初めての競馬場で、初めての距離で、最後までしっかりできましたね。及第点だと思います。折り合いますし距離はマイルでも慣れてくれば。間隔ないぶん体重は減っていましたが、ゲート裏でも落ち着いていたしメンタル面の強さがこの馬の良さなんだと思います。

3着　カンターレ

　中団インコースでロスの少ない立ち回り。直線大外へ持ち出すと、しっかり伸びて3着入線。前走に続き、終いの切れ脚には見どころ十分。

＜岡村健司騎手＞
　距離もこれまでより長かったし、初の川崎、初のナイターもこなしてくれて一生懸命走ってくれました。1200、1400mくらいがいいかな。

4着　ナーサリーテイル

　流れに乗りながら、好位で競馬はできた。終盤は手応えもあやしくなったが、ズルズルとはいかず粘り強さは見せた。

＜矢野貴之騎手＞
　久々のせいか重苦しいというか、上がりも苦しそうだったので1度使えば変わってくると思います。手前を替えづらいのは頭の高さから来るんだと思いますが、どっしり感があってセンス良く、走りはいいものがあります。

5着　ラミアメロディア

　出たなりで後方3番手からの競馬。じっくり構えながら経済コースを進み、直線はいい追い上げができた。

＜町田直希騎手＞
　非力な面はありますが、とにかく競馬が上手。馬場に入ればテンションも落ち着いて、折り合いもつくし、距離も保ちますね。今日は躓いてしまった影響もありました。

6着　サラサチャレンジ

　スタートから無理をせず先団につけられた。楽をしていたわりに追いだしてからの反応が今ひとつ。距離への課題もできた。

＜伊藤裕人騎手＞
　メンコ取ったんですけど、行きっぷりがだいぶ良かったです。最後伸びきれないレースになってしまいましたが、レースぶりは今までと違っていました。馬格もあるのでこれからの馬だと思います。

7着　イルフロッタント

　後方から差しに回ったが、追い上げは今ひとつ。重賞レースで流れも厳しかった。次走は30日に佐賀競馬場で行われる牝馬重賞、フォーマルハウト賞(1400m)を予定。

＜櫻井光輔騎手＞
　がんばってくれました。1600m戦は気持ち長かったかなというイメージですね。

8着　ユウユウシロパン

　後方からの追い上げも重賞レースではパンチ不足。距離はこなせそうだが。

＜七夕裕次郎騎手＞
　距離は長い方がいいと思っていました。今後も長いところで結果を出したいですね。