コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見(ささき たけみ)
元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。
令和7年度第13回開催 メッシーナ賞 他
3月2~6日の開催では重賞が組まれていませんでした。
2日の第7レースに行われた川崎ジャンプアップシリーズ・メッシーナ賞は、1頭だけポツンと最後方を追走したホースワンが3コーナーで一気に進出すると、直線力強く抜け出して1番人気にこたえる快勝。鞍上の野畑凌騎手はこの開催8勝、管理する高月賢一調教師もこの開催7勝で、ともに開催リーディングの活躍でした。
続いて第8レースに行われた川崎ジャンプアップシリーズ・カラスミ賞は、スタートで出遅れて最後方からとなったメイショウマチルダが3~4コーナー大外からまくって直線外から豪快に差し切りました。鞍上は山林堂信彦騎手でした。
最終日に行われた、3月22日は「ばんえい記念」は、大外枠から早め2番手につけたゴールデンカガヤが直線での追い比べから抜け出しました。鞍上は古岡勇樹騎手でした。
今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)
2026年3月2日(月)メッシーナ賞
優勝馬ホースワン
勝ったホースワンはスタートでのダッシュがあまりよくないですし、野畑騎手も行く気はなかったようで、離れて最後方からの追走でした。もともとこういう脚質なのでしょう。2コーナーを回ってもじっとしたまま、向正面の半ばあたりでようやく動いていきました。3コーナーあたりでは、ほとんどの騎手の手が動いていましたが、野畑騎手の手応えは楽なまま先頭に並びかけました。能力が違うことはわかっていて、慌てずじっくり乗っていたのでしょう。直線では並ぶ間もなく先頭を交わしての完勝でした。こういう馬は長い直線の大井に行けばもっと走れるかもしれません。
逃げた山林堂騎手のジュウニントイロは平均ペースで楽に行けたので、直線まで先頭で粘っていました。3番手から池谷騎手(サーブザミッション)がゴール前でよく伸びて2着に入りましたが、どの馬も能力を発揮できる流れでした。ただやはり勝ったホースワンが、このクラスでは能力が違っていました。
2026年3月2日(月)カラスミ賞
優勝馬メイショウマチルダ
このレースでも、勝ったメイショウマチルダは出遅れて最後方からでした。ただ、1つ前のメッシーナ賞とは違って外枠2頭が競り合って行ったので前半ハイペースになりました。
1番人気のジンガーは大外からのスタートで気合をつけたことでハミがかかって馬が行きたがってしまいました。さすがに外枠なので、矢野騎手は1コーナーあたりで引く形になりましたが、ペースが上がって縦長の展開になりました。
メイショウマチルダは、出遅れたことで山林堂騎手はすぐに内に進路をとりました。3コーナーからは大外に持ち出して一気に行きました。前の馬はバテて下がってくるので、この展開では大外を回して正解です。直線では馬場の真ん中から一気に差し切りました。前半が速かったので、メイショウマチルダは展開に恵まれたところもありました。うまく乗ったというより、自分のペースで行けたのがよかったです。
1番人気のジンガーは、直線でも先頭でしたが、前半かかって競り合ったぶん、ゴール前で脚が上がって4着でした。すんなりハナで折り合えれば勝ち負けだったでしょう。次はあらためて期待できそうです。競り合ったもう1頭のペイシャアンジェロは最下位でした。
2026年3月6日(金)3月22日は「ばんえい記念」
優勝馬ゴールデンカガヤ
スタート後は真ん中あたりの枠の3頭ほどが競り合って行って、大外枠の古岡騎手(ゴールデンカガヤ)は、1~2コーナーでうまくこれに乗っていって外の2番手好位につけることができました。展開的に外枠が幸いしました。
逃げたトンボが直線でも先頭でしたが、ゴール前でひと脚使ったゴールデンカガヤが差し切りました。これは古岡騎手が流れに乗って早めに進出しての好騎乗でした。
対して1番人気だったツカサレヴズは内枠だったことで先行争いで外からかぶせられ、向正面でも馬群に包まれる形になって、ペースアップしたところでも動くに動けませんでした。4コーナーでもまだ前とは3~4馬身離れていて、外に持ち出すとゴール前ではよく伸びてきましたが、半馬身届きませんでした。能力があるところは見せましたが、展開的に厳しくなったぶんの2着でした。
